つまりそんなこと

山内惠介さんを応援する妙齢女子の呟き。スケートシーズンはそっち寄りになります。

君はどこから来たのか?

毎年、家庭菜園でトマトを育てている。
育てる苗はミニトマト4本と決めている。
例年は赤2本、黄1本、橙1本のラインナップ。
人気のアイコは皮が硬いので私は植えない。
今年は苗を買いに行った時に橙がなかったので赤と黄のミニトマトを選んだら母に「中玉スウィートも買って」と言われてチョイス。
「昔ながらの酸っぱいトマト」という苗があったのでそれも選んで4本にした。

庭を耕し肥料をすき込み支柱を立てて苗を植え付けた。
ひと月ほど経ったある日………小さな小さなトマトの苗を発見。
市販の苗の十分の一にも満たない小さな小さな苗は生えてきたと考えるべきであろう。
勿論、トマトの種なんか蒔いていない。
去年、地に落ちたトマトの実が腐って種だけになり地中で越冬したのだろう。
長年、トマトを育てているが勝手に生えてきたのは初めてである。

塀の中の懲りない面々』という小説を御存知だろうか?
作者が服役中に出会ったクセのある面々について書かれた小説である。
こんなエピソードがある。
食事に漬物が出ると唐辛子の種を集める服役囚がいた。
彼は仲間から種を集めては植えていた。
漬物の中の唐辛子の種なんて好んで食べる人はいないから集まるのだが植えるという無駄な行為を皆、馬鹿にして笑ったという。
「芽なんか出すワケがない」
彼は何粒、いや、何百粒植えたのだろうか?
唐辛子は………………芽を出したのだ。
漬物の中の唐辛子の種にくらべれば極寒の冬を耐えたトマトの種が芽を出す確率の方が高いのかもしれない。