つまりそんなこと

山内惠介さんを応援する妙齢女子の呟き。スケートシーズンはそっち寄りになります。

乙女心

それを聞いたのは私がまだ20代の頃だったと記憶している。
その情報は耳から入ってきたのだが当時の私にはラジオを聞く習慣がなかったので、おそらくテレビのワイドショーかなんかであったのだろうと思う。
ある女性の投稿が読み上げられていたのだが以下のような内容だったと思う。
「私は杉良太郎様のファンクラブに入っています。誕生日には杉様からカードが届くので誕生日が近付くとポストを綺麗に掃除をして毎日杉様からカードが届くのを待っています。」…………なるほど、幾つになっても乙女といったわけである。
当時の私にはポストを綺麗にして芸能人からの誕生日カードを待つ気持ちというモノが理解出来なかった。いや…実は今も出来てはいない。
ファンクラブ会員である私には毎年ちゃんと惠ちゃんから誕生日カードが届くのだがポストをピカピカにして待ちわびてはいない……なんだったら届いたカードを見て「そういえば誕生日近いな」って感じだったりするし……。
惠ちゃんからのカードは勿論、毎年デザインが違うのだが必ず書いてある言葉がある。
それは………「長生きしてね」である。
高齢マダムに支えられている惠ちゃんからのメッセージは深くて重い。
今はまだ2月であるが、先日、7月のサマーディナーショーの優先予約を済ませた。
5月のコンサートのチケット代の請求が来て振り込んだのは先週である。ファンクラブの優先予約は半年近く前になる。いつも一緒にイベントに行く2歳上の姉が空席を見て言ったことばが耳に残っている。
「ほら、チケット予約ってかなり前でしょう?空いてる席見ると思うのよね、この人亡くなったんじゃないかしら?って。惠ちゃんのファンは高齢だからさ。惠ちゃんいつも言ってるじゃない、“長生きしてね”ってさ。」
老いるって当たり前のことだけど…お一人様の私は子育ての苦労が無いかわりに子供の成長という楽しみも無く孫は未来永劫持つことは無い。
3姉妹の真ん中に生まれながら親と同居し世話をしている。近い将来には老老介護世帯となる。
せめてもの現実逃避が山内惠介の追っかけなのだ。何もかも全て忘れて姉と2人でペンライトを振る。ちなみに私のチケット代は姉が払ってくれる。私はそれを「家族間接待」と呼んでいる。実家から車で3時間程の市に住んでいる姉は私が母と暮らしているから自分は働けるんだと言っていた。
軍資金の問題はおいとくとしても惠ちゃんに会いに行くには先ず仕事を休まなければならないのだが、これが容易ならざることなのだ。私はけっこう転職を繰り返して来たが今の職場にはもう10年も勤めている……しかし、過去の職歴のなかで最も休みの取りづらい職場の為に毎年、大量の有給を捨てている。休みがもらえずに泣く泣く諦めたイベントもある……しかし今年の私は諦めない!いくら惠ちゃんに「長生きしてね」と言われても老いは確実に来るのだ誰に何を言われても全力で休む!